週刊少年ジャンプ12号感想②

残り。要はCOOLテニス。


テニスの王子様

手塚国光が踏み込んだ領域とは何か。

遂に手塚が神の領域に到達した。勿論今までも、全てを内包する『手塚ゾーン』と全てを拒絶する『百錬自得の極み』によって、既にこの地球が手塚中心にまわり始めていたのは疑いのない事実だったが、更に『才気煥発の極み』という頭脳面における最高峰のテニス能力を獲得する事によって、手塚はまた一次元上の存在となったのだ。

・何故一次元上―神の領域―と言えるのか。

もし仮に全てを内包する『手塚ゾーン』と全てを拒絶する『百錬自得の極み』がY軸における対極点同士だとするならば、その一方であらゆるエネルギーを掌握する『百錬自得の極み』とあらゆる事象変動を予測する『才気煥発の極み』はさしずめZ軸における対極点であり、従って『通常のテニス』という一本のX軸に加えこれら二本の軸をその手中に収めた手塚国光はもはや二次元を超え三次元的なレベルで空間を支配したことになるのだ*1。もはやこれは人間の入っていい領域ではない。神の領域だ。

・どうすれば手塚国光を倒せるのか。

まず現時点における手塚国光と千歳千里の実力差をわかりやすくするために、ある有名な他のものにこの二人を例えてみよう。

手塚国光≒乙女座のシャカ
千歳≒双子座のサガ

大体このぐらいの力関係が妥当だと思われる。確かにサガは神の如き強さだったが、一方のシャカは現実問題として神にもっとも近い男。あまりに相手が悪すぎる。しかしサガはシャカに勝った。何故か。それは同じ黄金聖闘士二人を引き連れ三人がかりで戦ったからに他ならない。そう三人がかりなんだ。もはやこうなっては頂上決戦がどうのこうの言っている状況ではない。三人がかりで手塚を襲う以外にもはや勝利を収める合理的な手段はないのだ。かっての僕は甘かった。二人程度では手塚を抑えるなど到底不可能だったのだ。え?二人目はともかく三人目は誰かって?決まっているじゃないか。乾だよ。真の手塚潰しは乾を裏切らせるところから始まるんだ*2

・乾を引き込むのは本当に有効なのか?

いくら手塚が神とはいえ仲間内に敵がいればそうそう楽に勝てるとは思えない。サーブミス、手塚への体当たり、自分のところに撃ち込まれたボールを明後日の方向に打ち返す…おそらく敵として真っ向から立ち向かうよりもよっぽど出来る事が多いであろう。だが勿論その程度で倒せる手塚ではない。恐らく『才気煥発の極み』をフル活用し、乾が明後日の方向に打ち返す…そのボールの軌道すら予測し手塚ゾーンで操作する、そのぐらいのことはやってのけるであろう。だがそこがチャンスだ。いかに手塚とはいえ『才気』にオーラを注ぎ込めば『百錬』が疎かになる…そこにこそ僅かな勝機が見出せると思うのだがどうだろうか。つまり乾は直接の手塚潰しの為にではなく手塚に僅かな隙を作るための捨て駒として使うのが望ましいのだ。

堀尾「『才気』を解いたッ!?まだオーラが上がるのかよ!」
不二「肉体強化主体の無我に切り替える気だ!」

百錬』には緩急が有効ならば、その対極といえる『才気』にはパワーによるごり押しが最も有効な戦術なのは疑いない…無我研究家の千歳ならばこの程度の推測は軽いものだろう。もう一度言う。3人がかりだ。あの神々しいまでの威光を放つコート上の現人神・手塚国光に勝てる可能性が0.1%でもあるとしたら、その可能性とは三位一体のテニスエクスクラメーションに他ならない!*3

*1:これは推測だが『百錬』と『才気』を上回る『天衣無縫の極み』とは4次元的な能力なのではないだろうか。

*2:いや、既に裏切っているのかもしれない。乾のあの「フフフ」という笑いが筆者には気になって仕方がない。

*3:紙面の都合で省略させてもらったが、天才・財前光には「試合終盤で一回分の盾になる」という重要な役目が与えられている。故に三位一体。