テニスの王子様CCGコラム①

「中学テニストーナメント全国大会」の準決勝第一試合は、青殉学園対死天宝寺の対戦となった。この試合に勝った方が栄えある決勝戦に臨むこととなる。そして今回の対戦方式は5VS5の団体戦。ともに最も勝率の高いポイントゲッター〜死天宝寺は絶対的な安定感を誇る『聖書』黒石蔵ノ介、青学は比嘉戦で貴重な一勝を挙げた『天才テニスデュエリスター』不二十助ふにじゅうすけ〜をS3に配し、万全の布陣でこの戦いに臨んだ。


 青学S3・不二十助のデッキは、青学メインのカウンターテニス+大型テニスプレイヤーという、通称「ヘカトンケイル」と呼ばれるデッキを目指して組まれている。その戦略は、序盤を《羆落とし》を始めとするトリプルカウンターや《バニシングカット》などのサーブで凌ぎ、中盤以降、殺傷力が高く、しかも棄権しにくい大型テニスプレイヤーで一気にラリーを決する。いわゆるコントロール系の、どちらかといえばスロースターターテニスであり、展開が遅いぶん相手のデッキを観察しながら戦えるという、団体戦のS3向きのデッキではある。

 そういった意味では、「ヘカトンケイル」の巧者・不二十助をS3に据えたオーダーは決して間違ってはいなかった。ただ、惜しむらくは、死天宝寺S3黒石蔵ノ介のデッキに対しては、相性が最悪だったのである。

 黒石のデッキは、「ガットデストラクション」と言われる、ガット破壊を主戦略としたデッキである。そもそもこのデッキは、序盤から数種類のガット破壊ストロークで対戦相手のラケットを粉砕するところから始まる。短期決戦を身上とするパワーテニスに対してはあまり効果的とは言えないが、長期戦を視野に入れたラリーでじっくりとゲームを作っていかなければならないカウンターテニスに対しては、恐るべき威力を発揮する。そしてこの特性が、対不二戦において理想的な形で発揮されたのである。

 まず先行第1ラリーで《しまったガットが…!?》を打ち、不二の残りラケットの数を確認した上で《青学の天才・不二周助》のラケットを使用不可能とし、次のラリー、《一度限りの100%・石田鉄》をコート上に出場登録…さらにガットを破壊する。そして第3ラリー、駄目押しとも言える《波動球》を撃ち、ラケットの確保がままならない不二に対し、《ネオトリプルカウンター不二周助》を含む二人のテニスプレイヤーのガット破りに成功する。ラケットのないテニスプレイヤーなどもはや恐れる相手ではない。次のターン、満を持して必殺テニスプレイヤー《コート上の抹殺者・切原赤也》を出場登録。不二はこの《切原赤也》に対し、なんら有効な対策をとれないまま一方的な(膝への)スマッシュを受け、屈辱的とも言える敗北を喫したのである。

【ガットデストラクションのメカニズム】
ガット破壊ストロークを連発!
《しまった!?ガットが…》
《一度限りの100%・石田鉄》
《波動球》

相手のラリーを止める。

必殺テニスプレイヤー登場!
《コート上の抹殺者・切原赤也

勝利