怖い

許斐先生の身体は本当に大丈夫なのだろうか。あんな、プラスを作る為に生まれたマイナスを揉み消そうとするどころか更なるプラスによって上塗りするような*1―例えるなら危ない橋を勢いよく渡りすぎて水の上に落っこちたにもかかわらずより勢いよく足を動かすことによって水の上を走り続けるような―創作を続けていたら早晩身体がどうにかなるのではないだろうか。/確かにあの人がやっていることは理論上においては正しい。行き詰るより前に面白くしてしまえばそれは確かに面白い筈だ。しかし、それは創作上の多重債務なのではないだろうか。*2僕は其処に―許斐剛と創作の間に―恐ろしいまでの緊張関係を見ずにはいられない。/はっきり言って嘘吐きとしての質・量或いは心構えが他とは明らかに違う。何故あれ程に刹那的な創作ができるのだろうか*3。あれは『死中に活』などという生優しい代物ではない。既に死んだ人間の発想だ。

*1:今週の立海オチや何時ぞやの手塚オチそのものについては正直疑問符が付くがその後の展開で逐一帳消しにされてしまった。

*2:さしずめ担保は本人の器そのものといったところか。

*3:もしかすると「本気で音をあげる前に連載を終えてしまえればれば勝ちだ」ぐらいのことしか考えていないのかもしれない。