将棋の王子様(或いは「断片の王子様」とでも呼ぶべきか)

「おお――っ 日吉六段が最初から演武将棋!?そして…」
「向日八段もムーンサルト将棋!!」

「あの海堂五段が将棋盤に手の届かないところまで退った!と 言う事は…!」
カーブをかけて駒を放り投げ、将棋盤の横から打つ「ブーメランスネイク」の体勢に入る海堂。
「そうだマムシ!構うことはねぇ ブチかましてやれっ!!」

「どーした乾何ビビッてんだ!?」
「下克上だ」
氷帝!!氷帝!!氷帝!!氷帝!!」


「ドォーーーーン!!!!!!」


突然の大爆発。なんと乾が指した駒が将棋盤にめり込み回収不能となったのだ。この恐るべき一手に驚愕する氷帝補欠部員達。
「す 凄い一手だ まるで地震に呑みこまれた様な…」
地震か…いいネーミングだ!アースクェイク!!」
恐るべき勢いで駒を自陣にめり込ませていく乾。このままいけば鉄壁の穴熊が完成するだろう。

捨て駒をやりすぎた挙句 駒が切れ敗北した関東大会の向日 普通なら駒を温存して対局を行うものじゃが……
榊め……短期決戦型の日吉と組ますことで駒が切れる前に決着をつけるとんでもない作戦に出てきおったわ」
「青学はあの乾の奥義でしか攻撃を受けきれてない。……竜崎先生 これが勝つための我が氷帝将棋会のオーダーです!!」

海堂が持ち時間を限界まで消費して長考している間、将棋盤の前で飛び続けた向日、そして舞い続けた日吉の体力は恐ろしい勢いで削られていたのだ。
「海堂の術中に嵌っていた」
「短期決戦の様に見えてこの対局…いつの間にか持久戦になってやがる」

完成しなかった理由はコレ。なにせ作者直々に「覆面を被った少年達」ときたもんだ。あんなの見せられちゃな…。この程度で粋がってた*1自分が恥ずかしいよ。

*1:粋がった覚えはないが。