時間

ローラーでコーナーを曲がるところから始めたミニ四駆がツヴァイ・フリューゲルをやるまでに1年以上の月日が費やされた『爆走兄弟レッツ&ゴー』、保守的かつ自己完結的な海賊らしくない海賊こと王下七武海がそれぞれの思惑と実力と日頃の鬱憤を開放し戦場で縦横無尽に暴れまわるまでに10年以上の月日を費やした『ONE PIECE』。これらの歴史は決して無駄足を踏み続けることによって構成されてはいない。雨にも負けず風にも負けず着実なステップで前に進むことで達成されたものだ。達成されたものなのだがしかし……長いよなあ。一歩劇的ななにかを前に進めるだけでこれだけかかるということなのか。人類にショートカットはないということなのか。

一方その頃『はじめの一歩』は脇役の試合の合間に延々と国内王者が訓練されていないかませ犬の肋骨を粉砕し続け、『範馬刃牙』はオリバやピクルといった疑似範馬勇次郎をいつもの「試し割り」→「持ち上げ」→「弱体化」のコンボで闇に葬っていく。こんなことを何度繰り返したところで何も進展しない現実。そういうのをみるにつけ「ああ、やっぱり少しづつでも何かを積み上げていくのは必要なことだな。詰む前に」と我々は日々の作業の重要性を噛みしめるのかもしれない。