新説テニスの王子様なるもの

今月の内容を一言で言うなら「一寸先は許斐」としか言いようがないのですが、何が恐ろしいかといえば、今回、リチャード坂田がしたことといえばかつて日本に空前絶後の笑いと感動をもたらした日本中学テニストーナメント全国大会の抽選会において手塚にしかけた足払い+高笑いからなる一発コンボだけであり、リリアデント蔵兎座がやったことといえばかつて日本に以下略の準決勝で切原赤也に仕掛けたジャッジメント・ザ・HARITUKEとなんら質の変わらぬものであります。そして我々はそれらの伝統芸能が99%の確率でお披露目されることを当然のこととして予知していたのです。にもかかわらず我々が感じたのは「一寸先は許斐」。卑怯である。反則である。これがこの先もまかり通るなら他の凡百の漫画家は揃って廃業。あな恐ろしきは許斐節。真田VS幸村に関しても似たようなことが言えます。お互いがお互いの持ち札から想定される攻防を繰り広げただけでもう既に面白いのは普段からそれだけ高い許斐濃度が凝縮されているからであり、その許斐濃度を一切薄めることなく黒真田という新たなステージを匂わされたらもうたまらない。相も変わらず怖い漫画というか怖い漫画家。一寸先は自爆テロ