ろくでなしBLUES 1 (集英社文庫(コミック版))

ろくでなしBLUES 1 (集英社文庫(コミック版))

 長期連載の1巻は意外と読んでなかったりする例にはまっていたことを思い出したので、1巻を読んでみた。女の子が壮絶にかわいくないことと、太尊の思考偏差値がより低い(ような気がする)*1以外はあんま変わらんなぁ。30巻代や40巻代と同様に、千秋ちゃんが毎回さらわれるのを見て、なぜか安心してしまう自分。ああ、さらわれたなら大丈夫だよな、と。ピーチ姫と同じ。さらわれたらもう安心だ、と。しかしこの漫画。典型的だ典型的だおもうてたけど、よくよく考えたらこんな少年漫画、総体としては他にしらねーな。
 ああ、そうだ。一つ思い出した。初期はギャグシーンにおいて典型的な“ずっこけ”描写を多用してたけど、鬼塚やら薬師寺やらとやりあう辺りから、連続動作の間抜けな一幕に“ストップ”をかけるパターンが増えた気がする。一例をあげると、薬師寺との喧嘩中、「喧嘩をやめないなら川に飛び込む」と言った千秋に対し太尊が「勝手にしろ」といったところ本気で飛び込もうとした千秋を見てフライングで川に飛び込んだ太尊の間抜けな一幕。あそこで作劇場の“ストップ”をかけなければそうそう間抜けには見えなかったかもしれないが、あの場面だけ時間が止まった所為でどっかおかしい。やってる本人が真剣なだけに、とある一瞬がギャグとなる、そういう描写を不良同士の喧嘩の中に見出してるわけですな。こういう手法も一つの手だと思うので、今の人も使えばいいんじゃないかなぁ。時代があわんくて使えんかもしれんけど、さ。

*1:4巻あたりから悪知恵が少々。