テニスの王子様Genius374『リョーマが鼻血=幸村が本気』*1

 自分からは何もせず、相手のテニスプレイヤーが明後日の方向にボールを打ち込み、いきなり鼻血を吹き出したのを見て「アイツのテニス怖いわぁ」だの「幸村のテニスが始まった」だのギャラリーが騒ぎ出したのを目の当たりにし「やっと本格的に日本中学テニストーナメントの決勝戦が始まったんだな」などと反応するのが我々鍛えられたテニス読者である。てかさ、俺な。あの鼻血を見た瞬間ジョジョ第5部でのメタリカ発動シーンがフラッシュバックしたんだけど、方向性としては多分間違ってないよね。幸村精市はあの土壇場、回想シーンを通じて奮起したあの瞬間まで、サムライボーヤに対して見た目上は何もしてないよね。
 昔さ、不動峰の伊武ってやつが今回見たく身体異常系のテニスを使ってたんだけどさ。アイツの場合「トップスピンとスライスを交互に打たねばならない」「片手にしか効かない」にも関らず、その効果は「精々コースを若干ズラしてアウトを狙える程度」だったわけで「誓約と制約」に念能力の効果が見合っていなかった。所詮は都大会レベル、精々関東レベルだったわけだ。だが幸村精市は違う。アイツは何もしていない。少なくとも外からわかる範囲においては何もしていない。かつて、最強のテニスの名を欲しいままにしていたあの反則奥義「手塚ファントム」ですら「ボールにラケットで一回触れる」という、物理的な発動条件を必要としていた。つまり付け入る隙があった。だが、幸村の強制イップスにはそんな手続きすら必要ないというのか?コートチェンジの間、ベンチに座ってくつろいでいる間にも鼻血が吹きだすというのか?まさか……「神の子」幸村最大の狙いは……出血多量による越前リョーマのミイラ化……ミイラパッケージ!?キリストと見せかけて……エジプト神か!