餓狼伝

「虎王を喰らった姫川ですが、当然立ち上がりました」
「何故当然と言えるのですか」
「彼は以前松尾象山に肩関節を外されました。*1彼の格闘人生唯一の汚点です」
「それがどうかしたんですか?」
「しかし肩関節を外されて尚彼はギブアップをしなかったのです」
「マジすか」
松尾象山との勝負はその時点で凍結。故にその後の姫川が、松尾象山相手に肩関節を外された状態から逆転勝利を収める力を得ることであの日の汚点を消し去ろうと考えるのは想像に難しくありません。おそらくは、顎を砕かれ肩関節を外されるような一撃を喰らうことを前提としたトレーニングをあの天才はつんでいるはず*2
「それは一体どこのオサレな変態科学者さんですか」

餓狼伝(20) (イブニングKC)

*1:確か肩だった気がする。アレ?肘だったけ。まぁ、どこでもいいんだけど。

*2:恐らくは、肩関節に予め釣り糸を仕込んでおいて肩関節が外れた瞬間糸がこうぐいっと……