「幸村精市は現実的な、普通のテニスを相手に強制する太極図内蔵型のテニスプレイヤーなんだ」と僕らが一通り戦々恐々したその直後、八百屋にキャベツを買いに行くぐらいの気軽さからテニスコートを消滅させ、「テニスはコートでやるスポーツじゃないんだよ」とか幸村神に発言させかねないのが許斐剛の漫画道だ。気をつけろ！僕らが奴の思考を読めると思ったその時は、大抵において読まされているんだ。気をつけろ！奴は９９％確定したプロットを光の速さで斜め上に修正する事についてなんとも思わない男なんだ。気をつけろ！気をつけろ！気をつけろ！
