テニスの王子様 Genius358海堂覚醒*1

一行要約:許斐剛の時間がやってきました

許斐剛です。何処からどう見ても100%許斐剛以外の誰でもない仕事を今僕等は目にしているのです。真田VS手塚戦は結局のところ「向こうに入らんかーっ」に繋ぐまでのイベントバトル感がありましたが、この死合は趣が異なります。今の許斐先生は、かってのホラー・オブ・ザ・シンクロや百八式波動球を描いたあの時の許斐剛。創作上のお約束など見えやしないエンジンが遂に本格始動したと考えるべきでしょう。こうなると我々のちゃちな予測など全くの無力。戦々恐々としながら狂気に舌なめずりするほかないのです。

【狂気の一例】

  • あ 悪魔だぁ―――っ!!!
  • …だな
  • 彼はどこまで進化するんだ……
  • 汚ねぇーぞ切原ぁ!挑発したのは俺だろ 俺を狙え!!
  • ヒャッヒャッヒャッ やーだね!だらぁっ!
  • 止めろぉぉ――――っ!!
  • お おい……見ろ……アイツ…も
  • 駄目じゃ海堂 自分を見失うんじゃない!!
  • あ…はは いつもの海堂先輩に戻ったよ――っ!!
  • ……見事だ貞治
  • 乾先輩っ!乾先輩っ!うおおおおおおおおお!!

不二先輩や竜崎先生といった狂気実況(マッドネスナレーター)がいる限りテニスプレイヤー達は決して真実には辿りつかないということを今更のように思い知りました。いや、確かにその進化は恐ろしいよ。海堂にも自分を見失ってほしくはないよ。でも、何かが違う。絶対に違う。「駄目だぁーっ!向日がとまらねぇーっ!」の時から思っていたのですが、許斐剛が描く外野台詞はあらゆる角度においてキレが良すぎるのです。普通、人類はあの場面においては言葉に窮するのが普通です。普通って二回言いましたがそれが普通です。「まさしく手塚ファントム」とか絶対言えない筈なのです。それが通常と異常の分水嶺なのです。

「あ…はは いつもの海堂先輩に戻ったよ――っ!!

「テニスプレイヤーが流血試合の末デビル化する事態をギリギリで免れた」。確かに喜ばしいよ。喜ばしいんだけどさ。なんでお前等は状況に即対応して喜べるんだって話ですよ。大飯匙倩を蜻蛉包みで返すのとはあらゆる意味で次元が違うだろと言いたいのですが、やつらにとってはそれでも地球は回っているからどうしようもない。けど、僕は思うんだ。あまりの凄惨さに数人が失神してるぐらいが普通だと思うんだ。そのぐらいヤバイ状況だよ今現在のアレは。てかね、海堂がデビル化したということは、そのライバルであるところの桃城も多分デビル化できるわけで、桃城がデビル化できるなら全国強豪クラスのテニスプレイヤーは皆デビル化の素質を抱えていることになる、と言っても過言じゃない気がするんだ。もっというと、デビル化はデビル化を呼ぶ。もしもデビル化に対する有効な返し技が見つからなかったならば、来年の全国大会決勝は挨拶の時点で全員がデビル化している可能性すらあるわけですよ。無論、観客はそのデビル化×20の瘴気に当てられ半デビル化を行います。ここに全国中学デビルテニストーナメント全国大会が勃発するわけですよ。無論テニスのルールブックに、「デビル化を禁ずる」などという一文は当然存在しない為、形式的には無問題。おそらく来年の決勝戦S1では、悪魔の翼を生やしたテニスプレイヤー同士が「時代は空中戦だぜヒャッヒャッヒャッ!」とか言いながら戦うわけですね……って今気が付きましたが、来週切原と海堂が羽根を生やして空中でボールを打ち合わない保証などどこにもないのです。ああ!この世は悪い夢だ!