DEAR BOYS-act2-

DEAR BOYS ACT2(26) (講談社コミックス月刊マガジン)

基本が泥試合漫画なので泥試合っぽく語ります。

「この手のスポーツ漫画には大抵一つはいる「地味だけど基本性能の高さがウリ」を地で行く伝統校、それが秋田城北高校です。元々このチームの存在意義は、それまで定期的に行われた何らかの大会で最強チーム・天童寺に20点差をつけられて負けるところを新聞などでちょろっと触れられるところにあったのですが、それが遂に主人公チームと相まみえたのです」
「特性としては『伝統』『手堅い』『体力馬鹿』『ルーズボールに強い』『最強王者天童寺曰く「闘るのが面倒臭い」』辺りですな。このチームと主人公チームがベスト8で戦う、と」
「アレクサンドロ・ムガヒ或いはキングオブデストロイになる選択肢をかなぐり捨てての参戦です」
「何をどう考えても泥試合ですよね。試合見るまでもなく」
「ええ、泥試合でした。泥試合でしたとも」
「見所は?」
「体力馬鹿が体力切れで負けるところ、ここに尽きるでしょう。その際、監督の、纏めの表情が印象的でしたね」
「は? 体力切れ?」
「なまじ体力に自信があるが故に体力を異常に使う作戦をやって最後バテる、と」
「泥試合以外の何物でもないじゃないですか」
「ですね。しかしこの試合と、後、前回の湘南大相模戦*1の時も思ったのですが」
「はいはい」
「主人公の哀川和彦がえぐいのなんの。空気主人公になったことである意味での自由を手にしたような気がします。後半はホントやりたい放題」
「パワーAスピードSテクニックSジャンプSパスAシュートSドリブルSディフェンスS知名度Sな彼ですな」
「基本、彼をタイマンで止められる人材はどのチームにもいません。よって大抵のチームは『そもそも哀川和彦にパスを通さないような布陣を引く』『哀川和彦48の殺人技の一つ「落ちない3P」だけは牽制する』といった事前抑制策を取るのですが、両チームの体力が限界に達して乱戦になってくると、それまでパスが回ってこなかったが故に体力MAXな哀川和彦が、遂にその本性を現します。で、ただでさえスタミナ切れな敵チームのエースが思う存分ファックされる、という。普通にやってすら勝てないのに」
「Act1の時点で既に成長しきってしまったが故にAct2ではほとんどその人物像にスポットの当たらない哀川和彦、しかし後半の〆に関しては越前リョーマ手塚国光を足して2で割ったぐらいの鬼畜度を誇る、と」
「アイツ確か『勝ち負けよりも大事な〜』系の主張を持って天童寺を出たはずなんですが、試合後半になると大抵快楽殺人者の目になってますよ」
「秋田城北の双子が『舐めるな哀川』と鬼気迫る勢いでダブルチームに来た時、やろうと思えば1人で抜けそうだったにも関わらず、冷静に味方シューターへパスを供給、3Pを決めさせた時とか鬼だと思いました。せめてとどめくらいは直接さしてやれよ、という」
「笑ってましたよね、あの時」
「笑ってましたねぇ」
「哀川和彦がいる時点で敵チームは強烈なハンデ負ってますよね」
「一種の存在牽制。最強の空気キャラですな」
「因縁の天童寺戦ですら試合の9割存在牽制に徹するようだと、それはそれで面白いような気がします」
「まぁ、作中最強のガチホモ沢登聖人がいる限りそうはさせないでしょうが」
テニスの王子様がホモ臭いという人の真意がわかりませんな。沢登に比べれば児戯です児戯」
沢登クラスになると、主人公のアパートに前触れなく押しかけ、『お、俺実はお前のこと……(in新幹線のホーム)』で別れますから」
「明和大日立高校のバンダナもいい加減ガチホモですが、沢登は越えられないでしょう」
「哀川和彦が天童寺を出た本当の理由は、ケツに危険を感じたことだと思います」

*1:よくよく考えればここも「地味だけど基本性能の高さがウリな伝統校」。