野球水準

↓のクレイジー展開は抜きにしても、最近のドラベースはなにか世迷っている気がしてならない。その顕著な例が主役であるクロえもん。アメリカチームのドランプが開発した新魔球を打つ為にクロが覚えようとしている打法、これがどうもズレている気がしてならない。その打法とは……

一本足打法

 言わずと知れた、『世界の王』の異名を取るアジア野球界の英雄・王貞治の打法。確かに王さんは歴史上並ぶものなき偉大なホームランバッターだ。当然、その打法もまた偉大な打法だ。だが、それをそのままドラベース世界の主人公が使う打法として採用できるのかと言うと、それはまた別のお話だったりする。

 そもそもドラベースに出てくる魔球とは『物理法則を無視してWWWの軌道を描きながら異常な変化率を見せる魔球』『空中で一端完全静止する魔球』『ストライクゾーンをかすめようとしたボールが一回ピッチャーの方に戻ってからもう一度ストライクゾーンにツッコム魔球』『「燃えろ!トップストライカー」ばりのアキーラショット』『「テニスの王子様」ばりのトルネードスネイク』といった1000%変態な魔球がほとんどである。

 それを迎え撃つバッターの方も大抵頭がおかしい。「飛び上がって大根切りをかます打法」「インパクトの瞬間ボールが燃えて取れなくする打法」「バットをグルグル回して風を起こし打ちやすいコースにボールを引き付けてから打つ打法」「腕に仕込んだドリルを回転させることでバントの威力を上げる打法」などやっぱり頭がおかしい。

 ……一本足打法じゃ無理でしょ。いかに王さんが偉大だったっつっても所詮は人類相手に使ってきた打法。腕にドリルを仕込んだピッチャーに勝つための打法では断じてない。それを、達人キャラに魅せ技として一瞬だけ使わせるならまだしも、主人公に使わせるのはちょっとズレてるような気がする。