ポジティブ限定用法。

『OCG化された《混沌幻魔アーミタイル》を如何にして決闘で活用するか』という命題について真剣に考えたい。まずはそのテキストを確認しておこうか。条文もカードもまずは文言が基本。

《混沌幻魔アーミタイル》
融合・効果モンスター
星12/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
「神炎皇ウリア」+「降雷皇ハモン」+「幻魔皇ラビエル」
自分フィールド上に存在する上記のカードをゲームから除外した場合のみ、融合デッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない)。このカードは戦闘によっては破壊されない。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードの攻撃力は自分ターンのみ10000ポイントアップする。

巷で指摘されている問題点は大きく分けて5つ。

  1. 融合素材である『三幻魔』の召還条件が厳しい。
  2. カードを12枚も消費して出すのは非現実的だ。
  3. 融合素材である『三幻魔』で殴った方が早い。
  4. 炸裂装甲》一発でその儚すぎる命を散らす。
  5. 各種ブロッカーで防がれた後サンドバック。

では検討しよう。正直な話、この程度で一々問題扱いするのもどうかとは思うが、センスに乏しい君らの為に一肌脱いで解説するとしようか。

STEP1

「幾らなんでも5つもの欠陥を抱えたモンスターを使うのはとても無理だ」と考えてしまうのが所謂凡骨決闘者の思考である。だが待って欲しい。問題が多数あって不味いと言うなら、まずは問題の絶対数それ自体を減らせばいいのだ。実例を示そう。端的に言ってしまえばこの5つの問題点の内3と4と5についてはこの際無視してしまえばよいのだ。無論ここで君等は「何故無視できるのか?」と思う事だろう。だが僕に言わせればこれは『自明の理』。まず3についてだが…『融合素材で殴った方が早い』など海馬社長に喧嘩を売るような論証が真である筈がない。つまり論じるに値しないというわけだ。次に4だが…これも問題に非ず。《炸裂装甲》如き融合素材として予め場に出しておいた《神炎皇ウリア》の特殊能力で軽く潰しておけばいいだけだ。従ってこれもスルー。最後に5だが…これははっきり言って論じる方がどうかしている。裏守備ブロッカーなど『三幻魔』の召還条件である「永続魔法三枚」「永続罠三枚」「悪魔族モンスター三体」の中に《聖なる輝き》やら《最終突撃命令》やらを予め仕込んでおけばよいだけの話。《血の代償》のような小細工が来ない限りどうにかなる…というよりはその《血の代償》そのものを《神炎皇ウリア》の特殊能力で潰せばよいだけなのだ。無論相手が二枚の罠カードを伏せた場合は打つ手に乏しくなるが…そのような『余りにも偶然に依存した状況』について一々考えるのはナンセンスである。よってこの話は終了。そろそろSTEP2に移らせてもらおうか。

STEP2

残された1と2はある種連動した問題である。「三幻魔はそれぞれ『永続魔法三枚』『永続罠三枚』『悪魔族モンスター三体』を生贄にのみ召還できるが、この作業を1ターン1デッキで終えるなど非ィ現実的。何故なら4タイプのカードを計12枚手札にそろえるなど非ィ現実的にも程があるからだ」といった具合で1と2は上手い具合に連動している。この問題を解決するにあたっては逆に考える視点が必要だ。逆の視点…そうだ!『連動している』ということは『同時に解決可能』であることをも意味する。従って残った問題は『たった一つ』と考える事も可能なのだ!これはまさしく近代合理主義の勝利と言いえるだろう。遂に僕らは後一つというところまでこぎつけたのだ。さあ終点が見えてきたぞ。

STEP3

問題はカードアドバンテージだ。この問題さえ解決すれば後はどうとでもなる。だがここで世の間抜け共は「『三幻魔』『永続魔法三枚』『永続罠三枚』『悪魔族モンスター三体』を集めるなんて無理だ」などと考えるがこれがそもそもの誤り。何故一人の決闘者の手で集めなければならないのだろうか。その発想が既に短見なのだ。あまりに簡単過ぎて口にするのも憚られるが…【神炎皇ウリア】として既にデッキが確立している《神炎皇ウリア》を自分で召還する必要など1%もない。相手が出してきた《神炎皇ウリア》のコントロールを《洗脳−ブレインコントロール》や《堕落》で奪ってしまえばそれで事足りてしまうのだ。そして《神炎皇ウリア》を奪ってしまえば、残るは《降雷皇ハモン》と《幻魔皇ラビエル》の2体だが…この『2』という数字が絶妙なのだ。『2』と言えばタッグデュエル。そう!タッグデュエルにおいて一人につき一体の幻魔を召還すればよい。これなら十分可能だ。一人4〜5枚程度の損失で片がつく。理想的とすら言えるだろう。もっとも、ここで愚かな決闘者は「対戦相手が都合よく【神炎皇ウリア】を構築してくるとは限らない」等と青臭い主張を繰り出すのだろうが…笑止。「相手が使ってこなければ〜」など如何にも指示待ち受身型人間の反応だがそれが許されるのは小学二年生までの話。相手が使いそうにないのなら無理矢理にでも使わせればよいのだ。

大前提:遊戯王OCGの公式ルールにおいてサブリミナル・コントロールは未だ明文で禁止されていない。

諸君!今こそ《混沌幻魔アーミタイル》を使う時である。天命我らの下にあり!